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No.258『サンセット大通り』

更新日:2023年3月25日

大橋美加のシネマフル・デイズ

1950年 アメリカ映画 ビリー・ワイルダー監督 (Sunset Boulevard)


死者のナレーションで綴られてゆく、サスペンスフルな異色の愛憎劇。

お世話になった淀川長治先生お気に入りの一作だったと記憶する。

とにかく、グロリア・スワンソンが凄すぎる。


セルフ・パロディとも受け取られて当然の、

”忘れられたサイレント・スター”という役柄を、

ホラー映画も顔負けの表情で演じきったのだから。

おまけにチャップリンの物真似まで!コワくて可笑しく、そして哀しい。


ジゴロまがいの存在に陥ってゆく 売れない脚本家にはウイリアム・ホールデン。

今回、何十年ぶりかで観なおし、

この役はある程度の色男なら誰でも良いかなあと感じた。

そうはいかないのが、執事に扮したエリッヒ・フォン・シュトロハイム!

いわくつきの役にふさわしい極めつけの怪演を見せる。


執着が妄想を産み出し、犯罪に流れ着く。

言葉では言い捨てられない人間の業を見せつける

ノーマ・デズモンドに取り憑かれたら、シネマ・インフェルノの入り口だ!

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