大橋美加の”シネマフル・デイズ”② 『アポロンの地獄』

最終更新: 2月27日

1967年 イタリア映画 ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『アポロンの地獄』(EDIPO RE) ギリシャ神話のオイディプスの物語を、 パゾリーニ監督が独自の表現で映画化した衝撃作。 他に類のない此の映画作家による、圧倒的な映像美・美術・衣裳すべてが、 後世の映画人たちに多大な影響を与えているく。

窓のなか、奥の寝台で白い両脚を広げる女性。

取り出される赤子。まるで覗き見するかのように、

観客は映画に惹き込まれる。

説明を排除し、ただただ、見せていくパゾリーニ。

脚本家・詩人・作家の名も持ちながら、

映画に於いては語ることを控え、見せていく。


「父を殺し、母と通じる」と予言されたオイディプスに扮するのは

眼光が印象的なフランコ・チッティ。

スター女優のシルヴァーナ・マンガーノ、アリダ・ヴァリが存在感を示す。

不意に時空を超えたかと思えば、登場人物が舞台劇のようにカメラ目線で語りかける演出。

木々、空、土埃が迫り、時の流れなど何も変えることはできないと、

突きつけられている気がする。

片時も目を離さず、タイム・スリップして欲しい。

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