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『サイコ』

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.254

1960年 アメリカ映画 アルフレッド・ヒッチコック監督

(PSYCHO)


ジャネット・リーがおちょぼ口でパンをすこしずつ齧る。

トーストもしていない冷たそうなパンにバターを塗りながら。

見つめるアンソニー・パーキンスが「小鳥のように食べるね」とひとこと。

「鳥は少食と思われているけれど、本当はたくさん食べるんだ」と続ける。

壁に散在する、鳥の剥製…。

ヒッチならではの、不気味きわまりないシーンである。


魔が差し犯罪に手を染めての逃避行の途中で、

寂れた町のモーテルにやってきた美しい女が、

想像を絶する事件に巻き込まれてゆく。


実験的要素も含め、サスペンス満載の冒頭から一転、

まったく別の物語になってしまうところも斬新。

感性を逆なでするスコア、我が目を疑うカメラワーク、

パーキンスの倒錯的な演技!



セルフ・リメイクを何作か手掛けたヒッチであるが、

本作はガス・ヴァン・サントにより、かなりそっくりにリメイクされた。う〜ん、疑問!


パーキンスは歌も上手く、ジャズソングを歌ったアルバムもあり、

美貌と美声を兼ね備えた役者であったことがわかるが、

本作以降は“ノーマン・ベイツ”のイメージが焼きついてしまった感が否めない。

他の追従を許さない怪演は遺したが、はたして幸運な選択だったのだろうか…

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