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『さらば冬のかもめ』

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.255

1973年 アメリカ映画 ハル・アシュビー監督

(The Last Detail)


水兵姿の三人の男たちが、寒々しい風景の中を歩いていく。

どの場面も、とにかく寒々しい。

くぐもった白い空に、白い雪が舞い始める。


ジャック・ニコルソン扮する享楽的な海軍下士官バダスキー。

オーティス・ヤング扮する真面目だが流されやすい同僚マルホール。

ランディ・クエイド扮する大きな子どもみたいな新兵メドウズ。

凸凹三人組の、身震いしながらのロード・ムービー


基地の募金箱から40ドルを盗もうとした罪(未遂)により、

8年の刑を受けた18歳のメドウズを護送するバダスキーとマルホール。

ビールとハンバーガーに始まり、日蓮正宗の伝道所、娼館と珍道中は続く。

寒々しい公園でのバーベキューと相成り、かりそめの旅に終焉が訪れる・・・

グレン・ミラー楽団で知られる”American Patrol”や”錨を上げて”などの

マーチ・ナンバーが、のほほんと全編を覆う皮肉。

同情とも友情とも知れぬ”情”が寒気の中に消えてゆく。

虚しさだけが残るのが、”アメリカン・ニューシネマ”の魅力である。

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